僕らに課せられたミッション。 それは、1,000体撃破。
3人で1,000体を片付けるということは、1人当り333体・・・。
タイムリミットは2015年8月1日 PM8:30。
それまでに殲滅しなくてはならない。
気温30℃超えの炎天下 PM3:30 、僕らは決死の覚悟でお互い頷き合って拳を突き合わせた。
*** タイムリミットまで5時間 ***
町のため、家族のため、名誉のため、僕らは滴る汗をぬぐって5時間を耐え抜かねばならない。
どんなに辛くとも、膝着くことは許されないのだ。
「 死して屍(しかばね)拾う者なし。」 昔のTV“大江戸捜査網”のセリフがよぎる。
ミッションを開始して間もなく、僕らは厳しい現実を突きつけられる。
百聞は一見にしかずと言うが、1,000体という“数字”を目の当たりにし、愕然とさせられる。
「 本当に やれるのか?! たった3人で・・・。 」
『 れ? これで600体だって? あっちのテーブルの箱もなのか! 』
「 え?!・・、1,000体ではなく、1,200体だっただと・・・。 」
1人当り400体・・・。1時間に80体、1体当り1分未満・・・、物理的に可能なのか?!
しかし、指令が下っている以上、僕らは ひたすら1体1体、地道に、着実に片付けていくしかないのだ。
「 お~い! こっちはタマ切れだ! そっちはどうだ? 」
『 こっちもタマ切れ寸前だ! 補給はまだか? 」
炎天下で火器を操作するハードな任務。
全身汗だく、鉢巻きタオルが無くては汗で目も開けていられない。
「 よし、俺が補給所に行く。皆、ル~ビ~で良いか?! 」
『 頼んだぞ! 途中で行き倒れるなよ! 』
過酷なミッション完遂へ向けたエージェントのモチベーションを保つのはル~ビ~。
ちっ! 悔しいが、やつら(町内会上層部)も分かっている。
この過酷な任務に就いているヤツ(僕ら)は、「 ル~ビ~飲み放題 」に目が眩んだ者だけじゃないか。
なんだか段々と、連中(町内会上層部)に踊らされている様な気がして来たゼ。
日が暮れる前に生ビール4杯目。
最初の2時間で2リットルの汗をかいて、代替に同量のル~ビ~を補給する。
ああ、まだ山は3合目までしか登っていないというのに、もうフラフラなのであった。
(例年恒例の町内会“夏祭り”。 それが終わり、その2週間後にTVで「蛍の墓」が放映されると、僕の中の「日本の夏」が終わるのである。)